今日は「スタンフォード大学で一番人気の経済学入門ミクロ編」を読んで、個人的に役立つと思った内容を書きたいと思います。
やっぱり、フリーでやっていく場合や副業をする為に経済学の知識はあった方が良いと思って買いました。
この本は池上彰さんが監訳していて、初心者や活字が苦手な人でもとても読みやすいです。
もくじ
経済学の基本
経済学は特定の答えを提示するものではなく、答えを導き出すための思考の枠組み与えてくれるものです。
経済学には大きく分けて二つのアプローチがあり、ミクロ経済学とマクロ経済学があります。
ミクロ経済学
個々のプレイヤー(経済活動をする個人や会社、政府)に注目
マクロ経済学
経済全体の動きを視野に入れる
ミクロ経済学が木を見るのに対し、マクロ経済学は森を見ます。
経済を語るためには、ミクロとマクロの両方を知ることが大切です。
機会費用
ある行動を選択することで失われる、ほかの選択肢を選んでいたら得られたであろう利益のこと
何かを選ぶことは、何かを捨てることです。
この時選ばれなかったもののことを、経済学の言葉で「機会費用」と呼びます。
例えば家の掃除をしてもらうために、掃除スタッフを1回150ドルで雇うとします。
1ヶ月に2回きてもらうとして、年間のコストは3600ドルです。
これは別の言い方をすれば、「家を掃除してもらうために、1週間のメキシコ旅行分のコストをかけた」ということができます。
本当の意味でのコストとは、いくらお金がかかったかではなく、そのために何を諦めたかということなのです。
機会費用には、金額で測ることのできないコストも含まれます。
例えばフルタイムで大学に通えば、他のことに使う時間がなくなります。
仕事ができたかもしれない時間を、大学のために犠牲にしているのです。
学費だけでなく、こうした機会費用も、大学に行くためのコストの一部です。
交換価値と使用価値
ダイヤモンドには非常に高い交換価値があります。
そのためダイヤモンドを手に入れるにはとても大きな対価を支払わなければなりません。
しかしダイヤモンドにはあまり使い道がなく、役立たずの贅沢品です。
一方で水はどこにでもあるし、極めて安価なので交換価値はかなり低いのですが、生きる上で欠かせないものであるため、使用価値が高いと言えます。
このようにものの価値について論じる時には、どちらの価値について話しているのか明らかにする必要があります。
需要と供給の弾力性
需要と供給には弾力性があります。
例えばコーヒーの需要はかなり弾力的であり、ちょっと値上げをすれば売り上げは大きく落ちます。
なぜかと言うと、コーヒーが高けりゃお茶で良いやと代替品を買われてしまったり、自宅でコーヒーを淹れることも可能だからです。
一方、タバコ需要は非弾力的です。
タバコ代が値上がりしても、売り上げはあまり変わりません。
タバコには中毒性がありすぐに辞められないし、自分で作ることも難しく、代替品がないからです。
このように需要と供給に弾力性があることを知っていると、何をいくらで売るべきか考える上でとても役立ちますし、なぜタバコが値上げ出来るか分かります。
割引現在価値
買い物や労働はその時点で行われるものなので、分かりやすいのですが、金融資本を受け取る時、つまりお金を借りる時は後で支払うはずのお金をその時点で受け取ります。
なのでお金の価値が変わります。
一年後の100ドルは、現時点では90.91ドルの価値しかもちません。
これが利息や金利などですね。
お金の価値は時間が経てば変化するという感覚は徹底的に叩き込んでおいた方が、資本主義社会では役立ちます。
独占的競争は良いことなのか
独占的競争とは独占よりも完全競争に近い状態です。
独占的競争の市場では多くの企業が差別化された商品で競っています。
例えば同じズボンでも、素材やデザインの違いで差別化を図り競争しています。
企業が差別化を図ることで、流行を意識し、新製品の開発に励むため、市場には実に多様な商品が出回るというメリットがあります。
しかし一方で、スニーカーだけで何百種類もあるような世界に住むことが本当に望ましいと言えるのか。
その答えはまだ明らかになっていませんが、私なら疲れてしまうように感じます。
技術の進歩が労働の需要を変える
ここ数十年で技術の進歩によって高技能労働者の需要も爆発的に増えました。
一方で低技能労働者への需要はどんどん減っています。
さらに経済のグローバル化によって競争の相手が国内だけでなく世界中に広がったことから、低賃金で働く労働者がライバルになりました。
これが格差を拡大する原因にもなっています。
私たちの暮らしは技術の進歩と共に便利になっていきますが、それによって仕事がなくなり格差が拡大する社会は本当に私たちの幸せなのでしょうか。
人間が人間として幸せに生きる生活とはどんなものなのだろうか。
その視点が失われた世界は恐ろしいものだと思います。
略奪的価値設定
他社の参入を困難にするような低い価格設定をおこない、独占的市場をつくったうえで価値を大幅に引き上げて高い利益を得る行為
これは水道やガス、電気、電話回線など、一度引いたら他の参入が難しい分野で多いです。
最近問題になっているのがケータイ会社ですね。
日本は世界で最もケータイ代が高いです。
KDDI、docomo、ソフトバンクが殆ど独占状態で、ケータイ代を釣り上げています。
それを防ぐのが公正取引委員会ですが、公正取引委員会には強制力がないため、何も変わっていません。
なので格安SIMなどを積極的に利用して、私たち消費者が公正な取引を促す必要があります。
最後に
私が一番心に残った一文があります。
企業は信用するけれど、政治家は信用できないという人がいます。
逆に、政治家は信用するけれど、民間企業は信用なんかしないという人もいます。
経済学は、誰のことも信用しません。
経済学を学ぶことで自分の考えを持つことができます。
色んな視点から物事を見て、自分で判断する。
この能力がないと、特に資本主義社会では悲惨なことになります。
それぞれが自分の利益を優先して生きているからです。
いつリストラされるか、いつ騙されて金を巻き上げられるか、いつ健康を阻害されるか、分かりません。
色々な可能性を考慮できていれば、策を講じることが出来ます。
忘れてはいけないことは、私たちは今、資本主義社会に生きているということです。
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