心の傷を癒すもの

幼少期の頃からなんとなく興味が行ってしまうのは人の心についてだった。ニュースを見ても、被害者を可哀想と思いつつも、犯罪者はどうしてそうしなければならなかったのか、どんな心境だったのか、どんな風に世界が見えていたのか、ということばかりが気になっていた。子供の頃から漠然と「悲しい人の気持ちが分かりたい」と思っていたから、勝手に他人の心境を想像して色んなフィルターで世界を見ることが癖になった。


自分自身、多くの人と同じように心に傷があった。そしてその傷を癒したものがあった。どんな時に傷は癒されるだろうか。私にとっては理解され、受け入れられることだった。そして美しいものも私を慰めてくれた。音楽や煙草や珈琲もみんな私を慰めてくれた。映画や小説は私の世界観を変え、世界を変容させた。世界の見方が変われば、世界は変わる。まるでマジックだった。芸術、その芸の技術を磨く人のことを尊敬した。


人の心を慰め、癒す技術が欲しいと思った。音楽や、絵や、彫刻や、色々なことを試した。だけどこんなもので人は癒されるのだろうか、自己満足になっていないだろうか、と問答する日々が続いた。


まだ答えは見つかってはいないけれど、私は自分の心を癒したものの力を信じている。だから同じような境遇の人たちにもそれを知らせたいし、その信じるものの道へ進みたいと思っている。社会的には道無き道のようにも見えるが、きっといつか道になると思う。