うつ病について調べていて、非常にアトピーと似ていると思った。
うつ病もアトピーも、完治を目指すとちょっとおかしいことになってしまう。
あらゆる病気は何か原因となる悪いものがあり、それを取り除くことによって元の正常な状態に戻すというニュアンスが強い。
だが、1歳の頃からアトピーだった私の体はそもそもどちらが正常な状態だったのか。
炎症が出なくなった今でも、肌に触れるものには敏感だし、強い刺激は避けている。
これはもはや自分の性質であり、自分そのものを構成する要素である。
もくじ
正常な状態など存在しない
気分が落ち込んでいる時は良くない心理状態であり、常に明るく元気な状態を断つべきであるというのは現代に求められる態度であるが、この状態そのものがおかしいと思う。
低気圧になれば気分が落ち込むし、もちろん色々な出来事によって悲しい気持ちになることもある。
人間が言葉を覚えた時から、鬱は人間に避けられないものとなった。
なぜ生きているか、死とは何か、どう生きるのか、なぜこのように感じるのか、、
考えることを始めた人間はメランコリーから逃れられない。
鬱は病気なのだろうか?
抗鬱剤は鬱を治すのだろうか?
物事の暗い側面について考えることは悪いことなのだろうか?
自分と向き合うことでしか立ち向かえない
私もかつて鬱病を患ったことがある。
外に出れなくなり、食べ物が食べれなくなり、笑えなくなり、死を望んだ。
そして薬の副作用に苦しみ、うつ病を治すことを諦めた。
どのカウンセラーに話をしても、理解してもらえることはなかった。
その頃から自分の中にカウンセラーが生まれた。
自分で自分を精神分析し始めた。
時に絵を描き、彫刻をし、文章を書き、無意識と向き合った。
過去、トラウマ、欲望、恐怖、不安
色々なものが抑圧され、隠されていた。
一つ一つ、認め、自分の中に入れてあげる。
全部受け入れる。
そうすると少しずつ自分の中に丸が出来た。
円というのか、循環する大きな○だ。
始まりも終わりもなく、全てが繋がり、優しく、大きい丸。
そして楽しい時に笑えて、悲しい時に泣くことが出来るようになった。
もう二度と手放したくない、自然。
時間がかかっても大丈夫
私の鬱は完治したのかといえば全くしていない。
一生鬱と向き合うことになるであろう。
けど、確実に自然になった。
無理をして治そうとしていた苦しみは消えたし、全て含めて受け入れることができた。
マイナスなことがなければプラスもない。
陰と陽で構成されたこの世界をまるっと受け入れてみると、生きることが少し楽になった。