「銀河」神なき世界を問う、これぞブニュエル

あらすじ

パリからスペインの聖地サンチャゴまで、巡礼の旅に出た初老のピエールと若きジャン。

いかにも胡散臭いふたりのまわりに、さらに輪をかけて胡散臭い人物たちが彼らの行く手に現れる。

黒いマントの不思議な男、死の天使、狂った司祭にサド公爵、そして娼婦のマリア。やがてふたりは、イエスキリストその人にも出会うのだが…

鬼才の名を欲しいままにしたルイスブニュエルが、現在の巡礼者たちの姿を通して描き出した混沌のロードムービー。巡礼者たちがその途上で遭遇する種々雑多な人々と彼らの振る舞いのなかに、宗教の偽善が問いただされ、その厳しい風刺のまなざしは、この世の表層を貫き通し、そのバカバカしさを軽やかに笑いのめして深みへ達する。後期ブニュエルを代表する一作。

神などいない、自然があるだけだ。

私はキリスト教徒でないから、ちょっとよくわからない部分も多いが、それにしても爽快な映画だ。

皮肉を込めたユーモアで溢れ、そこに垣間見えるブニュエル自身の信仰心すらも感じる。
同じキリスト教徒同士が、宗派の違いや考え方の違いによって口論したり争う場面が多く出てくる。
そしてその内容はどちらも似たり寄ったりで、無宗教な私から見ると少し冷めた気持ちにさえなってしまう。
けれど現在もそういった宗教同士の争いは絶えず、大きな問題となっている。
「神などいない。自然があるだけだ。」というセリフや、「肉体を絶えずいやしみ、さげすみ、なおかつ肉の快楽に身を委ねねばならぬ」といったセリフにはっとした。
この映画は私たちの視野を、人類、延いては銀河へと広げてくれる。