文通のすすめ|現代だからこそ見直したい手紙の魅力

卒業制作やら院試やらが終わり、やっと一息つける時間が出来たが、私は何をしたらいいか分からなくなっていた。

 

SNSやLINEから「飲もうよ!」と軽いノリの誘いが多発しているが、長期的な疲労と燃え尽き症候群で全く乗り気になれない。

 

それにしても空白の時間と心の隙間に何かが必要だった。

 

そこで始めたのが文通。

 

返事や会うことを催促されることもなく、いつ届くかも分からないそんなルーズなやり取りが魅力的に思えた。

 

文通ドットネットという掲示板サイトでは色々な人が文通相手を募っている。

 

そこから好みの相手を探す。

 

年齢や性別、趣味など合う人を見つけるのは見合いみたいだと思った。

 

何となく、一人を選んでメッセージを送り、文通が始まった。

 

あちらから先に送ってくれることになり、数日後、ポストに自分宛の手紙が入っていた。

 

何とワクワクしたことか。

 

自分のためだけに書かれ、丁寧に切手が貼られ届けられた手紙はまるで自分の存在の全てを肯定しているように思われた。

 

毎日届く広告のゴミ山とは違った。

 

私は慌ててレターセットを買い、返事を出した。

 

次の返事はいつ届くだろうか。

 

冷たく退屈な日常が少し温度を取り戻したようだった。